複数の筆にまたがる農地を一括で転用するテクニック
「手元にある5つの土地、すべてを一つの大きな駐車場にしたい」
「複数の地番(筆)にまたがって大きな倉庫を建てたい」
大規模な土地活用を計画する際、避けて通れないのが「複数筆(ふで)の一括転用」です。
一筆ずつの申請を繰り返すのは時間も費用も無駄。しかし、複数の土地を「一案件」としてまとめるには、単なる書類作成以上のパズルのような精密な設計が求められます。
今回は、複数の地番を束ねて、最短ルートで許可を勝ち取るためのプロのテクニックを伝授します。
1. 「一団の土地」として図面を統合せよ
一括転用の成否は、書類の厚さではなく「図面の完成度」で決まります。
- 図面は一つ: 地番ごとに図面を分けるのではなく、すべての土地を網羅した「全体配置図」を作成します。
- 用途の明確化: 「Aの土地は建物、BとCは駐車場」といったように、複数の筆にまたがる利用計画を一つのビジョンとして視覚化します。農業委員会は、そのプロジェクト全体に「整合性」があるかを厳しくチェックします。
2. 合筆(がっぴつ)は「許可の後」が鉄則
「バラバラの土地だと面倒だから、先に法務局で一つの土地にまとめて(合筆して)から申請しよう」と考えるのは、実はNGです。
- 農地の合筆制限: 原則として、農地は農地のままでは簡単に合筆できません。
- 実務のセオリー: まずは複数の筆のままで「一括転用許可」を取得します。その後、工事を完了させて地目変更(田・畑→雑種地・宅地)を行う際に、併せて「合筆登記」を行うのが、最もスムーズでミスのない流れです。
3. 「所有者が違う土地」をまとめる高等テクニック
一括転用したい土地の中に、自分以外の所有者の土地が含まれている場合、「農地法第5条」の出番です。
- セット申請: 「自分の土地(4条)」と「他人から借りる・買う土地(5条)」を同時に一つのプロジェクトとして申請します。
- 資金計画の整合性: 所有者が分かれている場合、それぞれの土地に対する資金調達や支払いのエビデンスが、全体計画と矛盾していないかが重要です。ここがズレると、事業の確実性を疑われ、一気に不許可のリスクが高まります。
4. 2026年、注意すべき「隙間の土地」
一括転用を進める際、見落としがちなのが土地と土地の間にある「赤道(里道)」や「青地(水路)」です。
- 時効取得や払い下げ: 複数の筆を一つにまとめて活用しようとしたら、真ん中に役所所有の細い道が通っていた……。この場合、その「道」を市町村から買い取る(払い下げ)手続きを同時並行で行わないと、一つの大きな建物は建てられません。
- 地域計画との整合性: 2026年現在の運用では、複数の筆をまとめることで「周囲の農地の集約化」を妨げないかという視点も重要です。周囲の農家さんの動線を塞がない配置計画が、許可への近道になります。
5. 行政書士が教える「一括申請」の裏ワザ
複数の筆を扱う場合、自治体によっては「理由書」の添付を求められることがあります。
「なぜ、これだけの広さが必要なのか」を数字で語る
「なんとなく広いほうがいいから」は通用しません。
「大型車両の旋回半径が○メートル必要だから、この3筆を合わせる必要がある」という技術的な根拠を添えることで、農業委員会の納得感は格段に上がります。
まとめ:バラバラの土地に「一本の筋」を通す
複数の筆を扱う農地転用は、一つひとつの土地を「点」ではなく「面」として捉え、そこに論理的な一貫性を持たせる作業です。
難易度は高いですが、成功すればバラバラだった土地が「一つの大きな資産」へと生まれ変わります。
パズルのピースを慎重に組み合わせ、あなたの土地のポテンシャルを最大化させましょう。
大規模・複雑な「多筆転用」、戦略的に進めます
「地番がバラバラで、どこから手をつけていいかわからない」
「他人所有の土地も巻き込んで、大きなプロジェクトを動かしたい」
当事務所では、複数の筆にまたがる複雑な申請を得意としています。
法務局での調査から、図面の作成、行政との事前調整まで、バラバラの情報を一つの「成功する計画」へとまとめ上げます。
難易度の高い案件こそ、プロの知見をご活用ください。
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